ガチ・アンチエイジングラジオ〜最新科学で老化を巻き戻す〜 · 2026年9月17日 · 21:52
前回のブルーゾーンの回で、生きがいの話はまだこの番組で扱っていない、とお伝えしました。今回がその回です。
まず、数字から。宮城県で5万人以上を追いかけた大崎国保コホート研究という調査があります。生きがいがあると答えた人に比べて、ないと答えた人は、全体の死亡リスクが高くなっていました。特に、脳血管の病気で差が出ています。
気の持ちようではないか、と思われるかもしれません。ただ、この研究は、年齢、学歴、職業、主観的な健康度、ストレス、痛み、歩く時間、睡眠時間、そして高血圧や糖尿病などの既往まで調整したうえで、その差が残っています。
後半では、少し違う話をします。
生きがいという言葉は今、ローマ字でikigaiと書かれ、世界中で知られています。きっかけのひとつが、前回話したブルーゾーンでした。
ただ、海外に伝わる過程で、日本語の生きがいには入っていなかった条件がひとつ加わっています。
お金がもらえること、です。
向こうで広まっているikigaiは、好きなこと、得意なこと、世の中が必要としていること、そしてお金になること。この4つが全部そろったものだとされ、主にキャリアの文脈で使われています。
でも、私たちが生きがいという言葉を使うとき、お金はもらっていませんよね。孫と過ごす時間。定年後の畑仕事。
しかも、お金を条件にすると、定年で失うことになります。いちばん生きがいが必要な時期に。
最後に、日本の生きがいの原点とされる本のお話と、探そうとしないほうがいい理由をお伝えします。
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参考文献
Sone T, Nakaya N, Ohmori K, et al. Sense of life worth living (ikigai) and mortality in Japan: Ohsaki Study. Psychosomatic Medicine. 2008;70(6):709-715.(宮城県大崎保健所管内の国民健康保険加入者を対象とした前向きコホート研究。5万人以上が参加、回答率95%。「生きがいがありますか」という質問への回答と、その後の死亡との関連を検討。生きがいありと答えた群に比べ、なしと答えた群で全死因死亡リスクが高く、特に循環器疾患・脳血管疾患、および外因死で関連が見られた。がんと肺炎では関連が認められなかった。年齢、性別、婚姻状況、学歴、職業、主観的健康度、ストレス、身体的痛み、身体機能、BMI、喫煙、飲酒、歩行時間、睡眠時間、および高血圧・糖尿病・腎疾患・肝疾患・胃十二指腸潰瘍・関節炎・骨粗鬆症などの既往を調整)
神谷美恵子『生きがいについて』みすず書房、1966年(長島愛生園での臨床経験にもとづき、生きがいとは何かを論じた著作。日本語の「生きがい」を考えるうえでの古典とされる)
García H, Miralles F. IKIGAI: The Japanese Secret to a Long and Happy Life. 2016.(スペインの著述家2名による書籍。世界的なベストセラーとなり、ikigaiという言葉を海外に広めた)
エピソード: ガチ・アンチエイジングラジオ〜最新科学で老化を巻き戻す〜