ガチ・アンチエイジングラジオ〜最新科学で老化を巻き戻す〜 · 2026年9月22日 · 36:25
朝ごはんは、食べたほうがいいのか、抜いたほうがいいのか。
この番組の初期に、プチ断食を紹介しました。夜8時に食べ終わったら翌朝8時まで、12時間空けましょう、というものです。ただ、プチ断食というと朝食を抜くことだと思われがちです。私がおすすめしてきたのは、夜を空けて朝は食べる形でした。同じ「空ける」でも、どこを空けるかで意味が変わります。
今回はまず、朝食を抜く理由としてよく聞く話を2つ取り上げます。
ひとつは「午前中は排泄の時間だから、食べないほうがいい」。体の仕組みから見ると、実はむしろ逆なんです。
もうひとつは「江戸時代までは1日2食だったから、人間には2食が合っている」。確かに2食の時代は長かったのですが、中身を見ていくと、今の「朝を抜いて昼と夜だけ」とはまったく違う食べ方をしていました。
そのうえで、九州大学のグループが日本の高齢者28万人を調べた研究を紹介します。朝食を抜く習慣と、寝る直前の夕食。どちらが認知症のリスクと関係していたのか。結果は、少し意外なものでした。
後半は、更年期以降の女性の話です。「女性は断食に向かない」とよく言われますが、その根拠の多くは、実は月経がある時期の話。では、閉経後の女性にとって何が問題になるのか。
鍵になるのは、タンパク質のとり方でした。量だけでなく、回数が大切な理由をお話しします。
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参考文献
Kawaguchi K, et al. GeroScience. 2026(オンライン版7月28日).(九州大学のグループによる研究。19自治体のレセプトデータを含むLIFE Studyのデータを使用し、日本の高齢者28万3,166人を対象に、深夜の夕食〔就寝前2時間以内の夕食を週3回以上〕および朝食抜き〔週3回以上〕と、認知症の発症との関連を検討。深夜の夕食はハザード比1.17、朝食抜きは1.13で、いずれも認知症発症リスクの上昇と関連していた。著者らは因果関係の特定にはさらなる研究が必要としている)
Mamerow MM, et al. Dietary protein distribution positively influences 24-h muscle protein synthesis in healthy adults. Journal of Nutrition. 2014;144(6):876-880.(1日のタンパク質の総量が同じでも、朝昼晩に均等に分けたほうが、夕食に偏らせた場合より24時間の筋たんぱく合成が約25%多かったと報告)
Moore DR, et al. Protein ingestion to stimulate myofibrillar protein synthesis requires greater relative protein intakes in healthy older versus younger men. Journals of Gerontology Series A. 2015;70(1):57-62.(高齢者では若年者より、筋肉の合成を最大にするのに1食あたり多くのタンパク質が必要で、体重1kgあたり約0.4gが目安とされた)
Kim HK, et al. Supplementation of protein at breakfast rather than at dinner and lunch is effective on skeletal muscle mass in older adults. Frontiers in Nutrition. 2021;8:797004.(早稲田大学のグループによる研究。高齢者において、朝食でタンパク質をとったほうが筋肉量への効果が大きかったと報告)
Aoyama S, et al. Distribution of dietary protein intake in daily meals influences skeletal muscle hypertrophy via the muscle clock. Cell Reports. 2021;36(1):109336.(マウスを用いた研究。朝のタンパク質摂取が筋肥大に有効で、筋肉の体内時計が関わることを示した)
『日本大百科全書(ニッポニカ)』「食事」の項(日本の食事回数の変遷。二食制の時代にも、激しい労働をする人には間食が給されたこと、労働の激しい農山漁村では朝食前や食間に間食をとる習慣があったことなど)
エピソード: ガチ・アンチエイジングラジオ〜最新科学で老化を巻き戻す〜