ガチ・アンチエイジングラジオ〜最新科学で老化を巻き戻す〜 · 2026年9月24日 · 32:52
今回から3回にわたって、疲れの話をします。
第1回のテーマは、「年のせい」で止めてしまわないこと。
まず、疲れの正体について、大きな勘違いから始めます。疲労物質といえば乳酸。学校でそう習った方も多いと思いますが、実はあれ、犯人ではありませんでした。
マラソンやサッカーでは、後半になるほど選手は疲れていきます。ところがそのとき、乳酸はむしろ下がっているんです。では乳酸とは何なのか。なぜスポーツドリンクや点滴にまで入っているのか。
そのうえで、疲労と疲労感を分けて考えます。疲労感は、体が出しているアラームです。感じること自体は必要なこと。問題は、それが鳴りっぱなしになっているときです。
ここで多くの人が、「年のせい」で探すのをやめてしまいます。
だるい、冷える、むくむ、太ってきた、気分が落ち込む、物忘れが増えた。更年期の症状として語られるこれらは、甲状腺の働きが落ちたときの症状とほとんど重なります。だから発見が遅れやすい。
橋本病は、成人女性の10人に1人にみられるとされています。決して珍しい病気ではありません。私の周りにも、ずっと更年期だと思っていたら甲状腺だった、という人が何人かいます。
では、どう見分ければいいのか。ひとつだけ、手がかりがあります。
後半では、鉄の蓄えと、睡眠時無呼吸にも触れます。どちらも見落とされやすく、そして閉経後の女性に関係の深い話です。
大事なのは、どれも測ればわかるということ。年のせいにすると、測らなくなってしまいます。
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参考文献
八田秀雄(東京大学大学院総合文化研究科 身体運動科学研究室)「乳酸の基本 ー乳酸は悪者なのか?ー」https://biz.arkray.co.jp/lact/hatta/index.html(乳酸は糖を利用する過程でできる物質であり、老廃物ではなくエネルギー源であること、ミトコンドリアで使われること、食品やスポーツドリンク、点滴用の輸液にも含まれることなど)
八田秀雄「乳酸ばかりが疲労の原因ではない」(きつい運動後、乳酸が運動前の値に戻るには30分、体内の酸性度が戻るにも10分かかるが、運動の2分後には少しなら再び走れること。乳酸の量と疲労が一致しないことを示す例として)
日本内分泌学会「橋本病(慢性甲状腺炎)」https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=41(橋本病は成人女性の10人に1人、成人男性の40人に1人にみられる。ただし甲状腺機能低下症になるのは橋本病のうち4〜5人に1人未満で、大部分では甲状腺ホルモンは正常に保たれる)
「更年期障害と似てるけど 30〜50代女性は橋本病に注意」日本経済新聞(甲状腺機能が低下すると、寒がり、倦怠感、肌の乾燥、便秘、体重増加などが現れ、更年期のサインとよく似ているため発見が遅れやすいこと。一方で、橋本病でホットフラッシュを起こすことはまずないとされ、見分けるポイントのひとつとなること)
「潜在性甲状腺機能低下症ってご存じですか?」同友会メディカルニュース(甲状腺ホルモンは正常だがTSHが高い状態。女性・高齢者に多く、健康な人の4〜20%、人間ドック受診者の4.7%〔男性3.6%、女性5.8%〕にみられるとされる)
エピソード: ガチ・アンチエイジングラジオ〜最新科学で老化を巻き戻す〜