ガチ・アンチエイジングラジオ〜最新科学で老化を巻き戻す〜 · 2026年9月1日 · 29:10
前回は、超加工食品がなぜ食べすぎにつながるのかをお話ししました。今回は後編です。
まず、この分類そのものを疑ってみます。
我が家の近所には、手作りのおでん種屋さんがあります。職人さんが魚をすり身にして、ひとつずつ揚げているお店です。そこのさつま揚げと、スーパーで大量に売られているさつま揚げ。同じ「さつま揚げ」という名前ですが、定義に当てはめると、違うグループに入ります。
パン屋さんのパンと、袋に入って売っているパン。豆腐屋さんの豆腐と、パックの豆腐。手作りの味噌と、大量生産の味噌。日本には、同じ名前で中身の違うものが、当たり前のように並んでいます。
つまり、食べ物の名前では分類できない。しかも境目はグラデーションなので、線を引くこともできません。
では、ゆっくり噛んで食べれば大丈夫なのでしょうか。
ここから後半です。前回、私はあえて出さなかった数字があります。Lancetの特集で示された、病気との関連を調べたメタ解析の結果です。15の健康アウトカムのうち12で、統計的に有意な関連が出ていました。
その数字がどのくらいの大きさなのか。特集の中に、とてもわかりやすい比較が書かれています。
そして、なぜ前回それを話さなかったのか。理由が2つあります。ひとつは、この番組を聴いてくださっている方のこと。もうひとつは、日本の状況です。日本人が超加工食品から摂っているエネルギーの割合は、東京大学の研究によると3割から4割程度でした。欧米より低いものの、決して少なくありません。しかも、割合が大きいのは若い層です。
数字を伏せておくのはフェアではない。かといって、数字で脅すのも違う。その両方を、今回はお話しします。
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参考文献
The Lancet Series: Ultra-processed foods. The Lancet. 2025.(超加工食品に関する3本立ての特集。43人の専門家が参加し、104本の研究を系統的にレビュー。15の健康アウトカムについてメタ解析を行い、うち12で統計的に有意な関連を報告。資金提供はBloomberg Philanthropies)
Ultra-processed food intake among Japanese adults: a nationwide study.(東京大学のグループによる研究。全国規模の食事記録データ、2,742人の8日間秤量食事記録をもとに、日本人成人の超加工食品からのエネルギー摂取割合を推計。総エネルギー摂取量の3〜4割程度とされ、年齢が若い人ほど、喫煙者ほど割合が大きい傾向が報告された)
厚生労働科学研究「食品の加工度分類に関する研究」報告書(NOVA分類にはあいまいな点が多く、日本人を対象とした研究も乏しいとして、日本人の食事への適用方法を検討した報告)
Chassaing B, et al. Randomized Controlled-Feeding Study of Dietary Emulsifier Carboxymethylcellulose Reveals Detrimental Impacts on the Gut Microbiota and Metabolome. Gastroenterology. 2022;162(3):743-756.(健康な成人を対象に、乳化剤カルボキシメチルセルロースを2週間摂取した無作為化試験。食後の腹部不快感の増加、腸内細菌の多様性の低下、短鎖脂肪酸の減少が報告された)
エピソード: ガチ・アンチエイジングラジオ〜最新科学で老化を巻き戻す〜