編集長の仕事部屋 · 2026年10月15日 · 11:00
質問を入力すれば、わずか数秒で整った答えを返してくれる生成AI。便利さを享受する一方で、私たちは「考えること」や「言葉を探すこと」までAIに任せてはいないでしょうか。
月刊『潮』11月号では、特別企画「AIと生きる時代の人間力」を掲載。思想家で武道家の内田樹さんによる論考「師弟関係こそが学びを起動させる」では、AI時代における教育と学びの本質を考えます。
内田さんが教育で重視するのは、師匠やメンターと出会い、その人についていくなかで自分自身が変わっていくことです。しかし、すぐに答えや対価を求める消費者的な姿勢では、こうした学びは始まりません。
自分で悩み、考え、言葉を探す前にAIへ質問する。内田さんは、これを「言語活動の外部委託」と表現し、母語を身につける大切な過程が失われる危険を指摘します。
さらに、災害による停電やサービスの終了などでAIが使えなくなったとき、私たちは学び続けられるのか。阪神・淡路大震災を経験した内田さんが語る「紙の本」の耐久性や、顔と顔を向き合わせる関係の大切さも紹介します。
AIを否定するのではなく、便利に使いながら、自分自身で学び続ける力も手放さない。そのために必要な備えとは何か。月刊『潮』編集長の末松が、本稿の読みどころを紹介します。