日々是思考〜組織のマネジャーのための学びの場〜 · 2026年10月5日 · 23:45
君主論シリーズ⑦
以前、あるマネージャーがこう言っていました。「チームをなるべく傷つけたくないから、変化は少しずつやっていこうと思う」。気持ちは、本当によく分かります。一度に大きく変えて、メンバーが離れていったら——そのリスクは怖い。
でも、結果はどうだったか。3年間かけてゆっくり変化させたチームは、3年間ずっと不安定でした。何かが変わるたびに「次は何が変わるんだろう」という空気が漂う。変化が終わらないから、安心が来ない。 一方で、一度に決断してその後を丁寧にフォローしたチームは、6ヶ月で安定に向かいました。「もう変化は終わった。ここから前を向こう」という空気が生まれたからです。
「変えない優しさ」が、じつは最も長く痛みを引き延ばしていた——今回のエピソードは、この観察から始まります。
マキャヴェッリは『君主論』第8章で「加害は一気に、恩恵は小出しに」と書きました。最初に読んだとき、僕はこの言葉が怖かった。残酷さを推奨しているように聞こえたからです。でも読み続けると、彼は必ずその後に「そのあとを丁寧に扱え」という言葉を添えている。「一気にやる」は残酷の称揚ではなく、長期の疲弊から組織を守るための処方だった。
今回は第6章「革新者の孤独」、第8章「残酷さの使い方」、第21章「評判を得る方法」を使って、組織改革における痛みの与え方——つまり時間の設計を扱います。
サムネ画像:イグナッツ・ゼンメルワイス ( 1818年7月1日 - 1865年8月13日) 、医師
参考書籍
番組で取り上げた書籍紹介
https://www.valuebooks.jp/shelf-items/folder/84676b46a574170
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