ブレインフレンドリーラジオ · 2026年9月3日 · 24:47
番組の概要
「自分はこういう人間だから」「この道を選んだのだから」――私たちは誰もが、自分自身を説明するためのストーリー(物語)を紡ぎながら生きています。しかし、その物語と目の前の現実との間にズレが生じたとき、脳は強い苦しみやストレスを感じてしまいます。
本日2026年9月3日配信のブレインフレンドリーラジオは、鎌倉・臨済宗円覚寺の横田南嶺管長による法話「虚構と現実」をきっかけに、「物語と現実のギャップがもたらす脳の脅威」、そして「ナラティブ(語り)の書き換えによるしなやかな生き方」について語り合います。
人間関係や他者との関わりの中で語られることの多かった「SCARFモデル」ですが、実は「自分自身に対するセルフトーク(自己評価)」の中でも強烈に作動しています。「理想の自分」と「現実の自分」が乖離したとき、脳内ではStatus(地位)やCertainty(確実性)への脅威反応が引き起こされ、心がフリーズしてしまうのです。
後半では、心理学者ダン・マクアダムスの自己同一性理論や、映画『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラが見せた鮮やかな章の切り替え、そして私たちが実践するLEGO® SERIOUS PLAY®(レゴ®シリアスプレイ®)における「固定されたストーリー」と「進行形のナラティブ」の違いまで考察を進めます。
「物語を物語と知った上で、執着せずに生きる」という禅の智慧と脳科学が響き合う、変化の激しい時代を生き抜くためのレジリエンス(心の回復力)の処方箋です。
今回のトピック&タイムスタンプ(目安)
【00:00】オープニング:臨済宗円覚寺・横田南嶺老師の法話「虚構と現実」
YouTube配信で触れた深い問い。人間が自分を認識するときに紡ぎ出す「セルフストーリー(虚構)」と、直面する「現実」。
【02:50】苦しみの正体は「物語と現実のギャップ」にある
就職活動やキャリア選択で描いた「こうあるべき自分」と、不合格や組織での壁といった現実の乖離。
綿引さんの実体験:父親から言われた「会社員に向いている」というストーリーと、23年間のキャリアの中で生じた葛藤。
【06:40】自分自身に牙をむく「インターナルSCARF」の脅威
他者からの評価だけでなく、自分自身のセルフトークでStatus(地位)やCertainty(予測可能性)を傷つけてしまう脳の仕組み。
【09:50】脳は「無意味なノイズ」に耐えられない
断片的な出来事に因果関係や目的を与え、筋書き(ストーリー)に仕立て上げて安心しようとする脳の生存本能。
【12:15】「ストーリー」と「ナラティブ」の決定的な違い
起承転結があり過去に固定された「ストーリー」に対し、現在進行形でオープンエンドに編み直され続ける「ナラティブ」。
ダン・マクアダムスが説く、過去・現在・未来を一貫した筋書きとして再構成する自己同一性の力。
【16:30】『風と共に去りぬ』に学ぶ、物語の鮮やかな手放し方
全てを失ったスカーレット・オハラの名台詞「明日は明日の風が吹く(After all, tomorrow is another day)」に見る、新しいチャプターへの切り替え。
【19:45】禅の境地:物語を知った上で、とらわれずに生きる
慣れ親しんだ古い物語を手放し、状況に応じて器(ナラティブ)をしなやかに変えていくレジリエンス。
パーソナリティ
綿引 いずみ(ニューロサイエンスを日常に活かすナビゲーター / コーチ)
石原 正雄(LEGO® SERIOUS PLAY® マスタートレーナー理事/ STEM 教育アドバイザー)
リスナーの皆さんへ
過去に自分が信じていた「私はこういう人間だ」という物語が、今の自分を苦しめてしまっていることはありませんか?
今回の配信でお話しした「ストーリーの切り替え」や、ご自身のナラティブにまつわる気づきがあれば、ぜひコメント欄でお聞かせください。次回以降の配信のヒントにさせていただきます。