青空朗読 · 2026年8月16日 · 13:43
梟の大旅行
著者:林 芙美子 読み手:富田 美苗 時間:13分43秒
むかしあるところに、梟が住んでいました。ふかいふかい森のなかで、晝も、ほの暗いところなのです。あんまり暗い森のなかなので陽氣なお天氣の好きな、小鳥や、りすも、みんな、森のそとがわに出て住んでいました。
梟はたった一人ぼっちで淋しいので、晝間も歌をうたって暮していました。
ぼろ着て奉公!
ぼろ着て奉公!
梟が、ぱたぱたと羽ばたきをして、こんなうたを歌うので、森のなかの楡の木は、ほんとに淋しくなって退屈で仕方がありませんでした。
ああ、また梟が何か云っている。どうして、あいつはあんなにいんきでじめじめした奴なんだろう。少しは、陽氣な歌でもうたってくれるといいんだのになアと、ぶつくさ云うのです・・・
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