Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」
Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」 · 2025年8月28日 · 26:58
今回は、2025年版の中小企業白書・小規模企業白書を改めて見直して、「人材をどうするか」をウェブ活用・デジタル活用の観点で整理します。
結論白書の数字と、現場での相談の実感を重ねると、次の結論になります。
参照元:2025年版「中小企業白書」全文 / 2025年版「小規模企業白書」全文
人材について私自身、現場に出ていて「人材」の相談を本当によく受けます。
結果として、やりたいことがあっても進められない。これは体感としてかなり多いですし、白書を見て「同じ悩みが広く起きている」と改めて感じました。
整理したい2つの選択肢論点は大きく2つです。
内製(人材育成)をするべきか、あるいは社外人材の活用(外部パートナー)に頼るべきか。どちらが現実的かを、白書の数字も手がかりに見ていきます。
内製(人材育成)に関する白書の見え方 人材育成を「強化している」会社は半分以上白書のアンケート調査では、5年前と比べて全体の半分以上の会社が人材育成を強化していると回答しています。
ここは考え方・方向性が難しいところで、人材育成は本来「常にやるべき」と考えるなら、まだ半分以上は強化できていないとも言えます。
従業員規模が小さいほど、人材育成ができていないまた、従業員の人数が少ない会社ほど、人材育成を行っていない(あるいは行えていない)という傾向も出ています。
小さい会社ほど、育成そのものが難しい。あるいは、育成に乗せる前段の採用がそもそも難しい。ここは、簡単に覆せない前提として置いたほうがいいと思います。
「人材育成に取り組む会社」の数字は良い。ただし、私はそのまま鵜呑みにしない白書では、人材育成に取り組んでいる会社のほうが、売上高や付加価値率の変化率が高い、というデータが示されています。
売上高の変化率で言うと、人材育成を増やした企業は中央値として約10.7%増、人材育成を行わなかった企業は約2.3%増、という数字。
参照元:2025年版「中小企業白書」全文
ただ、私の肌感覚としては「人材育成に投資できる余裕がある会社が、もともと伸びやすい」という母集団の「かたより」(バイアス)も混ざっていると思っています。
人材育成って、言うのは簡単ですが、そんなにうまくいかないことも多いですよね。現時点で人材育成が回せていない状態から無理に始めると、コストをかけた割に付加価値が出ない、ということにもなりやすい印象があります。
採用は「取れたらめっけもの」くらいで組み立てたほうがいい中途採用市場も取り合いですし、いわゆるカンディデート(候補者)が十分にいる状況ではない、という話も聞きます。
一般の従業員については、採用は不確実性が高い前提で体制を組み、運良く取れたらめっけもの、くらいで考えたほうがいい。
もちろん、経営者の後継者の話は別軸で、ちゃんと考えなければいけません。ただ、ウェブ活用やデジタル活用の担い手を「採用だけで増やす」ことに過度な期待を置くと、計画が崩れやすいと思います。
社外人材活用の現状 活用は「まだ2割くらい」。空気感が追いついていない副業・兼業なども含めた社外人材の活用は、データ上は全体の2割ぐらいで、まだ「気軽に使える空気感」になり切っていない印象があります。
これは、プラットフォームが全くないというよりも、使う側に「社内説得の材料」や「こう使えばうまくいく」というイメージが足りていない、という側面が大きいのだろうなと見ています。
数字で見ると「活用したことがない」が多数派調査(24,588件)では、活用状況が次のように示されています。
「どう使えばいいか分からない」というハードルが、ここに表れていると私は感じます。
一方で、副業を「やりたい人」は増えている白書でも、副業・兼業人材の活用はまだ道半ば、という趣旨があります。
ただ、副業をやっている方・副業をやりたい方(追加就業希望者数)は、10年間でかなり増加している、という状況もあるようです。
IT(情報技術)業界周辺だと、一人で会社を立てて複数社を支援する方も普通にいます。そういう働き方自体が無理のあるものではない以上、あとは「受け入れ体制」の問題になってくるのだと思います。
参照元:副業・兼業|厚生労働省
DXの話になると、ボトルネックがより分かりやすいこのポッドキャストではウェブマーケティングやデジタル活用の話を中心にしていますが、その観点で白書を見ると、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進で詰まるポイントがはっきりしています。
「費用負担が大きい」ことと、「推進する人材が足りない」こと。大きくこの2つがボトルネックになっています。
現場感覚としても、これはその通りだと思います。外部に見積もりを出すと、プロジェクト単位になりやすく、体感としては数百万円、400万円くらいが普通に出てくるケースもあります。そこまでの投資を、回収の目処がないまま踏み出すのは難しいですよね。
参照元:産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)|経済産業省
一方で、社内で柔軟に進めようとすると、今度は「そもそも人材が取れない」という問題にぶつかる。ここが、デジタル領域での人材不足の苦しさだと思います。
じゃあどうするかここまでを踏まえると、私は「うまく外を使える会社になる」ことを目指すのが、2025年以降の時代感として現実的だと思っています。
大きな会社(大手ベンダーなど)は、やることがプロジェクト単位になりやすいので、どうしても高くなりやすい。相手側も人材が潤沢なわけではないので、経営としては利益率の高いクライアントと長く付き合う動きになるのは自然です。
だから、たとえば中堅企業や、ある程度の予算を確保できていて「スピードを上げたい」「追加の施策にも即応してほしい」という会社なら、大きな会社と組むのが合うケースも多いと思います。
一方で、従業員が2桁規模(10〜99人程度)の会社だと、もっと小回りが効いて、現場の知識がある人がちゃんと来るようなパートナーと組むほうが現実的になりやすい。私はそう感じています。
外部パートナー選びで見ておきたいことフリーランスでも全然いいと思います。そのうえで、私はインボイス(適格請求書等保存方式)対応の有無も、取引のしやすさを見極める一材料になると思っています。
参照元:No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)|国税庁
選ぶときに私が重視したいのは、次のあたりです。
ツールの使い方に詳しいだけで、現場で浸透させる・社内を説得する材料を組み立てる、といったところは自分では動けない、というケースも残念ながらあります。そこは、しっかり見ておいたほうがいいと思います。
育成より外注が「安い」と感じやすい背景昔だったら、育成して会社の資産として長く勤めてもらい、将来の投資にする、という考え方も成立しやすかったと思います。
でも今は、終身雇用を前提にしない人も増えましたし、AIが話題になるように、必要な知識ややり方がどんどん変化します。何をどう学ばせればいいのか、レール自体が見えにくい。
そういう変化に慣れている会社なら研修の設計もできますが、慣れていない会社だと「どうしていいか分からない」
エピソード: Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」