株式会社ずんだもん技術室AI放送局 · 2026年2月26日
本記事は、Anthropic社のスタッフエンジニアであるBoris Cherny氏が提唱した、AIコーディングエージェント「Claude Code」を最大限に活用するための設定ファイル「CLAUDE.md」の設計思想を解説したものです。このファイルは、プロジェクトのルートディレクトリに配置することで、AIに対して「チームのルール」や「作業の進め方」を伝える「外部メモリ」として機能します。新人エンジニアの方にとっても、AIを単なるチャット相手ではなく、頼れる「自律的なチームメンバー」として教育するための最高のガイドとなります。
主な要点は以下の通りです:
「Planモード」による思考の分離: 複雑なタスク(3ステップ以上の作業や設計判断)では、AIがいきなりコードを書き始めるのを防ぎ、まずは具体的な「計画」を立てさせます。人間とAIが実装方針に合意してから作業を開始することで、意図しないコードの書き換えや手戻りを最小限に抑えます。
「サブエージェント」によるコンテキスト管理: AIが一度に保持できる記憶容量(コンテキストウィンドウ)には限りがあります。リサーチや並列分析などの重いタスクは、別のAIインスタンス(サブエージェント)に切り出して分担させることで、メインの作業環境をクリーンに保ち、思考の精度を維持します。
「自己改善ループ」の構築: 人間がAIのミスを修正した際、その教訓を tasks/lessons.md というファイルにパターンとして記録させます。これをAIに随時参照させることで、セッションをまたいでも同じ失敗を繰り返さない「成長するAI」を実現します。
品質担保の徹底と自律的なバグ修正: テストやログによる動作証明ができるまで「完了」と見なさない厳格なルールを設けます。また、バグ報告に対しては、人間に指示を仰ぐのではなく、AI自らがログを確認して自律的に解決(Zero context switching)することを目指します。
コア原則(シンプル・根本解決・最小影響): 過剰な設計を避け、一時しのぎではない根本的な原因解決を行い、必要な箇所だけを変更するという、シニアエンジニア基準の品質をAIに求めます。
これらの指針をCLAUDE.mdに定義することで、AIの自律性を引き出し、開発チーム全体の生産性を劇的に向上させることが可能になります。
引用元: https://qiita.com/uno_ha07/items/5820d195510861b5be71
本記事は、Sansan株式会社のプロダクトセキュリティグループでインターンを経験した学生が、セキュリティ設計レビューを自動化するAIエージェント「Hayami」を開発した事例を紹介しています。
1. セキュリティ設計レビューの課題セキュリティ設計レビューとは、開発者が実装に入る前に設計書を確認し、セキュリティ上の懸念を洗い出す工程(シフトレフト)です。Sansanでは、160項目を超える社内ガイドラインとの照合を少人数で対応しており、以下の課題を抱えていました。
既存の「AWS Security Agent」も検討されましたが、以下の理由から独自開発の「Hayami」が採用されました。
Hayamiは、Slackから設計書とガイドラインを読み込み、LLM(大規模言語モデル)を用いて分析結果を出力します。
開発を通じて得られた重要な知見として、「AIのパフォーマンスは設計書の質に比例する」という点があります。見出しが適切に使われ、周辺情報が整理された「人間にとっても読みやすい設計書」ほど、AIも正確に内容を理解できます。
また、AIへの指示(プロンプト)の元となったのは、チーム内に蓄積されていたPlaybookや学習リソースでした。過去の暗黙知を言語化し、構造化しておくことが、高度な自動化を実現するための鍵となります。
5. 今後の展望今後は「経験と直感」に基づく熟練者の思考プロセスも言語化してAIに組み込むことや、さらに上流の要件定義フェーズからの関与(より徹底したシフトレフト)を目指しています。「AIに自分の仕事を奪わせる」ことで、人間はより高度で本質的な課題解決に注力できるという、ポジティブなエンジニアリングのあり方を示しています。
引用元: https://buildersbox.corp-sansan.com/entry/2026/02/26/100000_jp
国立情報学研究所(NII)の大規模言語モデル研究開発センター(LLMC)が、日本語に特化した革新的な音声対話AIモデル「LLM-jp-Moshi-v1」を公開しました。このニュースは、日本のAI開発シーンにおいて非常に重要なマイルストーンとなります。
1. 何がすごいのか?:世界初の「商用利用可能な同時双方向」日本語モデルこれまで、人間のようにスムーズに会話できる音声AIの多くは、研究目的に限定されていたり、海外製で日本語が苦手だったりすることが一般的でした。 今回公開されたモデルは、「商用利用可能(Apache 2.0ライセンス)」であり、かつ「同時双方向(Full-duplex)」の対話ができる日本語モデルとして世界初の存在です。
2. 「同時双方向(Full-duplex)」がもたらす自然さ新人エンジニアの方にとって馴染み深い「ChatGPT」などの音声モードは、ユーザーが話し終わってからAIが考え始める「交互対話」が主流です。 対して、本モデルが実現する「同時双方向」は、相手の声を逐次入力として受け取りながら、同時に音声を出力します。これにより、以下のことが可能になります。
単なるテキストの翻訳ではなく、日本語特有の「雑談の空気感」を学習している点が大きな特徴です。
4. 活用の期待とエンジニアへのメリット本モデルはHugging Faceで公開されており、誰でもダウンロードして試すことができます。 コールセンターの自動応答や、リアルタイム性が求められるカウンセリング、ゲーム内でのキャラクターとの対話など、幅広い社会実装が期待されています。 「透明性・再現性」を重視して公開されているため、中身の仕組みを学びたい新人エンジニアにとっても、最高の学習・開発リソースとなるでしょう。日本語音声AIの未来を切り拓く、非常にエキサイティングな公開です。
引用元: https://www.nii.ac.jp/news/release/2026/0225.html
さくらインターネットは、推論API基盤「さくらのAI Engine」にて「音声合成(TTS)API」の提供を開始しました。実行エンジンにVOICEVOXを採用し、「ずんだもん」などの人気モデルによる音声生成が可能です。OpenAIのAPIと互換性があるため、既存システムへの組み込みも容易です。音声入力から合成までの一連の処理が国内基盤で完結するため、セキュアな対話型AI開発がより身近になりました。
引用元: https://www.sakura.ad.jp/corporate/informatio