Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」
Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」 · 2025年10月24日 · 26:19:00
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
※2026年7月追記:本記事は、2025年10月に配信したPodcastの書き起こしを基にしています。Podcastでお伝えした「Google Analytics MCPサーバーは誰に向いているのか」「新しいツールをどう選ぶのか」という話の流れを残しながら、現在のGoogle公式情報に合わせて、MCPサーバーの機能と読み取り範囲を補足しました。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)Google Analyticsの「MCPサーバー」とは何か。そして、誰もが使うべき便利なものなのか。私の結論は、そうではありません。ある程度データ分析やGoogle Analyticsが分かっている人でなければ、かえって判断を誤るリスクがあります。
詳しい内容は、Podcast本編をお聞きください。Introducing the Google Analytics MCP Server|Google Analytics公式動画
Google Analytics MCPサーバーとはGoogle Analytics MCPサーバーは、Google Analyticsのデータと、Geminiなどの大規模言語モデル(LLM)をつなぐためにGoogleが公開している仕組みです。普段使う言葉で質問すると、Google Analytics Data APIやAdmin APIを通じて、条件に合うデータを取得できます。
例えば、通常レポート、ファネルレポート、リアルタイムレポートを取得できます。アカウントやプロパティの情報、カスタムディメンションやカスタム指標も確認できます。
2026年7月30日時点では、Googleの公式リポジトリで「Experimental」と案内されている実験的なローカルMCPサーバーです。また、Google公式ドキュメントでは、読み取り専用であり、Google Analyticsの設定を変更できないと明記されています。
ここで区別しておきたいのは、MCPサーバーがGoogle Analyticsからデータを取得する処理と、取得したデータをAIが解釈する処理です。MCPサーバーを導入しただけで、AIが事業の事情まで理解し、正しい改善案を自動的に出せるようになるわけではありません。
導入方法や現在の対応機能は変わる可能性があります。実際に試す場合は、Google Analytics MCPサーバーの公式案内と、Google公式GitHubリポジトリを確認してください。
Google Analytics MCPサーバーは誰のためか今回は、以前からお話ししようと思っていたGoogle Analytics MCPサーバーについて扱います。ただ、必ずしも「便利だから使ってみましょう」という内容ではありません。
MCPサーバーは、普段使う言葉でAIへ指示を出せるため、「分析が簡単になる」「専門知識がなくても使える」と受け取られやすいツールです。しかし、私自身が使い込むほど、分析に慣れていない方が安易に手を出すと、かえって判断が難しくなると感じています。
そこで今回は、MCPサーバーが本当に役立つ人に加えて、業務で使うツールとどう向き合い、何を基準に選ぶべきかまでお話しします。
「新しいツールを導入したものの、結局使わなくなった」「便利になるはずが、逆に手間が増えた」。そのような経験がある方にも、判断材料として受け取っていただければと思います。
Google Analytics MCPサーバーは、本当に初心者向けなのか 結論:分析に慣れていないなら、急いで使わなくてよいまず、今回の話で一番お伝えしたい結論からお話しします。
Webサイト分析の初心者であれば、Google Analytics MCPサーバーを急いで導入する必要はありません。
ここでいう「初心者」は、経験年数や役職で決まりません。次のような状態を指しています。
少しでも当てはまる場合は、MCPサーバーを無理に使うより、まずGoogle Analyticsの画面に慣れた方がよいでしょう。表示されるデータが何を意味するのかを、一つずつ自分の言葉で理解することが先です。
そのうえで、Looker Studioなどを使ってデータを可視化し、自分でレポートを組み立てる経験を積む方が、実務の土台を作れます。AIへ質問する前に、自分が何を知りたいのかを決められる状態を目指してください。
MCPサーバーが真価を発揮する「データとの壁打ち」では、MCPサーバーはどのような人にとって有効なのでしょうか。
一言でいえば、データと対話、つまり壁打ちができる中級者以上の方です。
各指標の意味を理解し、「この指標とこのディメンションを組み合わせれば、仮説を確かめられるのではないか」と次の質問を作れる人を指します。
私自身がMCPサーバーを使うのは、Google Analyticsから必要なデータを取り出し、別のデータと組み合わせて相関関係を探ったり、回帰分析を検討したりする場面です。少し手間のかかる集計を対話形式で進め、結果を見ながら次の条件へ掘り下げられる点には、大きな魅力があります。
例えば、私のコンサルティングでは、毎月同じ数字を報告する定型レポートではなく、その時々の状況に応じてストーリーを組み立て、提案内容を変えています。その場で「この角度から見たらどうだろう」「このデータと組み合わせたら何が分かるだろう」と、AIと壁打ちをしながら分析を深める使い方には、MCPサーバーがよく合います。
一方、毎月決まった形式のレポートを作ることが主な業務なら、MCPサーバーを使う利点は小さいかもしれません。Looker StudioやData API、BigQueryなどを使い、同じ条件で確実にデータを取得できる仕組みを作る方が適している場合があります。
MCPサーバーを使いこなすための注意点と私の実践例 AIの解釈を、そのまま意思決定へつなげないMCPサーバーを使えるようになった方にも、最初に注意していただきたい点があります。AIが出した解釈や提案を、そのまま事業上の意思決定へつなげないことです。
データの集計をAIへ任せる使い方は有効です。しかし、前提条件を十分に与えず、「このデータから改善点を提案してください」「課題へ優先順位を付けてください」と判断まで委ねると、一般的で当たり障りのない回答になりやすくなります。
AIは、数値の変化が大きい箇所を指摘できます。一方、その変化が事業全体へどの程度影響するか、対象ページへ来た人が見込み客なのか、季節要因があるのかまでは、データだけで判断できない場合があります。
例えば、サイト全体のアクセス数が10万ある中で、ある1ページの直帰率が20ポイント悪化したとします。1ページだけを見れば大きな変化ですが、サイト全体への影響はわずかかもしれません。アクセス数が多かったとしても、見込み客がほとんど訪れない季節ページであれば、事業上の優先度は低い可能性があります。
変化率の大きさと、事業への影響度は同じではありません。この違いを判断するには、顧客、商品、集客経路、ページの役割といった背景が必要です。
分析前に、検証条件とデータの使い方を決めるAIへ分析を依頼する前に、何を重要と見るのか、どの変化を調べるのか、どの条件で比較するのかを決める必要があります。
「AIならそこまで考えてくれるだろう」と期待し、条件を決めないまま解釈や推論を求めると、役に立たないだけでなく、適切ではない方向へ導かれる可能性があります。
まずは、定量的な事実を取得・集計するためにMCPサーバーを使い、結果を解釈する際には人が事業の背景を加える。この順番が重要です。指標や比較条件を自分で判断できない段階では、Google Analyticsの画面から学ぶ方がよいと私は考えています。
MCPサーバーでデータを取得する前に、何を計測し、誰が判断するのかを決める必要があります。基礎から確認したい方は、GA4・Search Consoleから改善判断につなげるWeb解析の基本もご覧ください。
「数字を鵜呑みにしない」で終わらせない「AIが出した数字は鵜呑みにしてはいけない」という助言を見かけます。しかし、私は毎回すべての数字を疑い続ける運用では、効率化につながらないと考えています。
必要なのは、どの指標、ディメンション、期間、フィルタを使ったのかを確認でき、同じ条件で再取得できる状態です。
例えば、次の情報を回答と一緒に出すよう指示します。
この情報があれば、人は集計条件が妥当かを短時間で確認できます。AIの回答を無条件に信じるのでも、すべてを一から調べ直すのでもなく、再現できる条件を残して使うことが重要です。
ツール選びで失敗しないために考えたいことここからは、MCPサーバーの話から少し視野を広げ、業務ツール全般との向き合い方についてお話しします。
ツールは能力を増幅させる「掛け算」ツールは魔法の杖ではありません。スキルがゼロの状態を、ツールだけで1から10にしてくれるわけではないのです。
ツールは、自分が持っている能力や、実現したいことを、より速く効率的に進めるための「掛け算」だと考えてください。ツールの価値は、大きく「省力化」と「能力の拡張」に分けられます。
Google Analyticsのデータを扱う主な手段 手段 主な用途 向いている場面 Google Analyticsの画面 基本的な指標やレポートを確認する 指標の意味や画面操作を学ぶ Looker Studio データを可視化し、同じ形式で共有する 定型レポートを継続して確認する Google Analytics MCPサーバー 質問を変えながらデータを取得する 仮説を持って探索的に分析する Data API 決めた条件でデータを取得する 定型処理や独自システムへ組み込む BigQuery 大量データを蓄積し、他のデータエピソード: Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」