Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」
Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」 · 2026年9月27日
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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、自治体が行っているAI(Artificial Intelligence、人工知能)の支援と、福岡県北九州市の訪問看護会社の事例をご紹介します。「自社でもAIを使いたいけれど、どう始めればよいか」と考えている中小企業の方へ、研修を受ける入口と、会社の中で使ってもらうまでの話をお伝えできればと思います。
何から始めるか迷っているなら、自治体の研修に触れてみるうちはAI支援だけを行う会社ではありません。ただ、Webの仕事をするうえでもAIを避けて通る理由はないので、一緒にお伝えしています。その中で感じるのは、国や自治体の力の入れ方の強さです。Webサイトが増えていった2000年代前半にもセミナーはいろいろありましたが、今はそれ以上ではないかと思うくらいですね。
無料の説明会や支援、補助金など、全国のいろいろなところで取り組みがあると感じます。少し前は、議事録を取る、文章を直すといった、比較的やさしい内容が多い印象でした。ところが今は、実際に業務を自動化するところまで扱うものが出てきています。
例えば、今回見た千葉市の事業者向けセミナーです。ノートパソコンを持参し、Claude Coworkを実際に操作して、複雑な作業手順を見えるようにする。そこから業務の自動化につなげる内容です。市内事業者が対象で、参加費は無料。企業規模による制限は案内には示されていません。「生成AIとは何か」を聞くだけでは終わらない内容なんですね。
2026年10月27日に開催される案内で、市は「社員5人分の働きを明日から1人で実現」と、かなり強い表現を使っています。実際に参加枠がまだ空いているかは分かりませんが、千葉市の方は確認してみてはいかがでしょうか。こうした内容が出てくるくらい、風向きが変わってきたと感じます。
私の地元の新座市でもAI関連の取り組みは見かけますし、東京はもっと力が入っていると感じます。「どうしよう、何から始めたらいいのだろう」という方は、一度、こうした場に触れてみるとよいと思います。あるテーマを知りたければ本を2冊読むといわれるのと同じで、いくつか受けて、自分たちに響くものから試す。それでもよいのではないでしょうか。
一般的な使い方を教えるだけなら、民間は厳しくなると思う支援する側から見ると、正直、一般的なAIの使い方を教えるだけの会社には、この先、勝ち目がないのではないかと思います。公的な支援のレベルが上がり、しかも無料ですから。行政が予算を組み、事業者への支援として進めているところへ、同じ内容で入っていくのは厳しいでしょう。
もちろん、導入するシステムを実際に組める、その業界について深い知見がある、すでにお客様との関係ができていて社内に入れる、といった条件があれば話は違います。研修で知ったことを、会社の仕事として動かす部分には、民間の役割があります。経営計画でもそうですが、計画を実行するところは、専門家派遣などを通じて民間へつながる流れがありますよね。
そこにつながっている会社には、事業の機会があるのだと思います。ただ、そうした関係もないところから、「自分たちはAIを少し使えるから、支援事業を始めよう」と考えるのは、結構危ないのではないかと感じています。支援を受ける側にも、支援を仕事にする側にも、今の状況を見ておいてほしいですね。
ツールを入れる目的を、働く人の方へ向け直す自社でどう使うかを考えるうえで、面白かったのが、J-Net21に掲載された北九州市の訪問看護会社、プーラビダ株式会社の事例です。単にツールを入れるのではなく、従業員に気持ちよく、質の高い仕事をしてもらうために使う。そのように目的を捉え直した話として、参考になると思いました。
訪問看護の人手不足という背景もあったようですが、それ以上に気になったのが、会社の組織の問題です。同社では、社員が40人規模に増える中で、社長、管理職、現場という階層の間で意思疎通が難しくなっていたそうです。会社が目指しているものと、現場の人が欲しいものがずれてしまう。コロナ禍も重なり、離職率は83.3%に達したと紹介されています。算出の細かい条件までは分かりませんが、10人採用したら8人辞めるような、地獄のような状態ですよね。
当初は、DX(Digital Transformation、デジタルトランスフォーメーション)をコスト削減のために考えていた。それを、社員を守り、一人ひとりの働きがいを生むために使うと、目的を決め直したそうです。Google WorkspaceやGeminiを使った取り組みですが、私が気になったのは、どのツールを選んだか以上に、この目的の見直しです。
40人規模の会社で、最初に使ったのは2人ただ、社長が「これを使って生産性を上げよう」と言っても、すぐには広がりませんでした。「今までのやり方で何が悪いのか」といった反発が起き、最初に使っていたのは2人だけだったそうです。40人規模の会社で、2人です。DXではよくある話かもしれませんが、便利だと説明すれば使ってもらえる、というものではないんですね。
参照:J-Net21:Google Workspace導入時の反発
そこから身近な用途で使ってもらい、社員にとってのメリットを伝えていく。文字にすると「それはそうだよね」と思うのですが、現場で判断し、受け入れてもらえるように伝えるところが、いちばん大変だったのではないかと思います。記事では詳しく書かれていない、その紆余曲折が気になるんです。
「生産性10%改善」より、「報告書が1時間から5分」の方が伝わる入口になったのは、訪問看護で毎月作る報告書でした。J-Net21の記事では、利用者一人分に1時間以上かかっていた作業が、Geminiの利用によって90%短くなったと紹介されています。会社側の資料では、報告書の作成が「1時間から5分」になったと示されています。
参照:J-Net21:報告書作成の時間短縮、プーラビダ:自社のDX実践
上の人が「会社の生産性が10%改善するぞ」と言っても、現場の人には「10%と言われてもな」となりがちです。でも、「毎月1時間かかっていた報告書が、5分でできるようになる」なら、自分の仕事として分かります。社員に伝える内容を、そうした身近な変化にしていく。小さな成功を積み重ねることは、やはり大事だと思います。
Google Workspaceを使って社内ポータルを作るなど、ほかにも取り組みがあります。ただ、まず社員自身が便利さを感じると、「こうすれば情報を簡単に得られる」「この使い方を教え合おう」という話が出てくる。ツールの利用と一緒に、社内の情報共有やコミュニケーションも変わっていったのだと思います。
空いた時間を、人を減らすためだけに使わない報告書が1時間から5分になったら、残り
エピソード: Webコンサルタント中山陽平の「中小企業を強くするWebマーケティングラジオ」