ビジネス達人の教え · 2026年8月17日 · 11:14
商品知識もある。業界についても詳しい。営業トークにも自信がある。それなのに、なぜお客様はすぐに買ってくれないのでしょうか。
法人営業、とりわけ競合が多く、意思決定に複数の関係者が関わる日本企業や外資系企業への営業では、「良い商品だから売れる」とは限りません。
お客様が最初に評価しているのは、商品そのものだけではないからです。
「この人を信用していいのか」
「この人は本当に自分たちのことを考えているのか」
「この人と長く付き合いたいと思えるか」
つまり、商品の販売より先に行われている最初のセールは、セールスパーソン自身を信頼してもらうことなのです。
営業研修のグローバルリーダーであるデール・カーネギーの原則に基づいて考えても、人を動かす出発点は、相手に関心を持ち、相手を理解し、信頼関係を築くことにあります。
では、売れるセールスパーソンは何を提供しているのでしょうか。
Q1. 商品説明が上手いのに、なぜ売れないのでしょうか?
初回商談に向けて、お客様の会社を調べ、業界を調べ、ニーズを予測し、「この商品なら絶対に役に立つ」と確信して臨む。
これはもちろん重要です。
ところが商談になると、自社の商品、自社の実績、自社の強みを一生懸命説明してしまうことがあります。
説明そのものは完璧だった。
プレゼンテーションもスムーズだった。
それでも、お客様から、
「検討します」
と言われ、その後話が進まない。
これは珍しいことではありません。
なぜなら、私たちが「最高の説明ができた」と思っていても、お客様が「良い時間だった」「この人ともう一度話したい」と感じていなければ、商談は前に進まないからです。
営業の目的は、自分が上手に話すことではありません。
お客様が前に進める状態をつくることです。
一度だけ購入していただくことも重要ですが、本当に強い営業は、その先を考えています。
リピーターになっていただく。
さらに、そのお客様から別のお客様をご紹介いただく。
この好循環が生まれると、毎月ゼロから新規顧客を追い続ける営業から脱却できます。
ミニまとめ
営業トークの完成度ではなく、「お客様にとって価値ある商談だったか」が重要です。売れる営業は、一回の契約ではなく、長期的な関係と紹介につながる営業を目指します。
Q2. お客様は最初に何を買っているのでしょうか?
売れているセールスパーソンを観察すると、一つの共通点があります。
その人自身に魅力があることです。
「この人と話すと元気になる」
「この人の言うことなら信用できる」
「この人なら安心して相談できる」
こうした感覚は、商品説明とは別の次元で生まれます。
私たちは商品やサービスを合理的に比較して購入しているように思います。しかし実際の商談では、スペック、価格、機能、 ROI だけで判断しているわけではありません。
「この人は好きだ」
「この人なら信頼できそうだ」
という感情が、意思決定に大きな影響を与えます。
その後で私たちは、価格、機能、実績、導入効果などの論理的材料を使って、自分の判断を確認していきます。
だからこそ、営業では「何を売るか」と同じくらい、
「誰が売るか」
が重要になります。
これは B2B 営業でも同じです。
特に高額商品、無形サービス、コンサルティング、研修、専門サービスなど、購入前に品質を完全には確認できない商材では、営業担当者に対する信頼そのものが購買判断の重要な要素になります。
ミニまとめ
お客様は商品だけを買っているのではありません。その商品を薦めるセールスパーソンの信頼性、安心感、人間性も同時に評価しています。
Q3. 好感を持たれる営業になるには何が必要でしょうか?
ここで重要になるのが「感謝」と「余裕」です。
「もっと売りたい」
「今月の数字が足りない」
「何とか契約してもらいたい」
その気持ちが強くなりすぎると、営業の会話は無意識のうちに自分中心になります。
早く商品説明に入りたい。
早く提案したい。
早くクロージングしたい。
しかし、お客様はそうした焦りを感じ取ります。
逆に、お客様との出会いや現在の仕事に感謝し、「今日はこの方のために何ができるだろう」と考えているセールスパーソンには余裕があります。
その余裕は、表情、声、質問、相槌、間の取り方に現れます。
そしてお客様は、
「この人は自分を売上の数字として見ていない」
「自分のこ